8月4日から北アルプスの薬師岳から笠ヶ岳まで縦走してきました

1998年8月4日から北アルプスの薬師岳から笠ヶ岳まで縦走してきました。
長老山仲間の百名山登頂で北アルプスの残っているピークを制覇しようと云うことになり、薬師岳から笠ヶ岳までの縦走を計画した。夜行での移動は辛いので、飛行機で富山まで向かい、そこから松本方面へ出るルートとした。

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出だしでちょっとしたトラブルがあったが、久しぶりの長い山旅を思う存分楽しんだ。 毎日、雨に降られたがこれもまたよし! 薬師岳から黒部五郎岳の稜線は、またチャンスがあったら歩いてみたい所である。   


実施日:1998.08.04~08

参加者:3名

天候:8/4東京はくもり富山地方はくもり時々雨
 8/5雨のち晴
 8/6晴のち雨
  8/7雨(夜半より早朝6時頃までは雷雨)のち晴
 8/8晴時々くもり

コース:
8/04
登戸集合→川崎→(バス)→羽田空港→(ANA881便)→富山空港→(タクシー)→折立→太郎平→薬師小屋
8/05
薬師小屋→薬師岳→薬師小屋→太郎平→北ノ俣岳→黒部五郎岳→黒部五郎小屋
8/06
黒部五郎小屋→三俣蓮華岳→双六小屋→弓折岳→抜戸岩→笠ヶ岳山荘→笠ヶ岳→笠ヶ岳山荘
8/07
笠ヶ岳山荘→笠新道の分岐→杓子平→林道→新穂高温泉村営笠山荘
8/08
新穂高温泉村営笠山荘→(バス)→松本→(八王子経由)→町田


8/4
予定通り川崎よりバスで羽田へ行ける。富山行きANA881便の離陸が30分程遅れ、富山着の時間がそのまま遅れる。富山空港より個人タクシーで折立へ向かう。有峰湖へ向かう通常の道路が工事中の為、迂回路を使用¥1700の通行料を支払う。有峰湖畔に出た所でタクシーが折立へ行く道を間違え、とんでもない方向へ向かう。お陰で1時間半のロスとなる。やはりタクシーは東京より法人タクシーを予約し、しっかり道順の解る運転手を雇う必要がある。折立からの登りは11時と予定より2時間遅れで、時折雨も降る状態。

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スパッツを着け、傘を手に持って出発。途中標高1800m付近の樹林帯と、2150m付近の幅広い草付きの尾根にて小休止をとり、丁度三時間で太郎平小屋へ着く。この間ガスで遠望の視界は全く利かない。太郎平よりの尾根上では雨が降り出し、合羽と傘をさしながら薬師岳山荘へ向かう。薬師峠のキャンプ場までは20分程降り、ここより薬師平へは標高差150m程の登りで、沢状のきつい登山道になる。途中薬師平の手前200m付近で雨が小降りになり合羽を脱ぐ。その際、富山県警山岳パトロールの方に抜かれる。小休止は薬師平の大きなケルンの所にてとる。薬師平より山荘までは緩やかな登りで、山荘直下の最後の数百メートルは鉄棒の杭にロープでコースを示して有る。小屋の手前50mの所に、追い抜いていったパトロールの情報を基に小屋の方が我々を迎えに来ていた。小屋到着は16時30分。丁度、雨の降りかたも激しくなってきた。石油ストーブの乾燥室もあり、濡れた合羽やスパッツを干す。夕食は17時。当日の小屋の宿泊者は合計7名で、我々3名を除くと他の4名は皆単独登山者。一人一人別々に乾いた快適な布団が与えられ、18時に就寝。 


8/5

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4時30分頃起床するが、相変わらず外は雨が降っている。時折ガスが晴れ小屋より薬師岳頂上が見渡せる。朝食は5時半よりであるが、昨日泊った単独者3名は朝食前に空荷で薬師頂上往復へ出かけた。我々は、5時20分頃に朝食を取り、出発の支度にかかる。5時45分小雨になった所で合羽を着、空荷で山頂へ向かう。途中ガスが一瞬晴れ太郎平方面が見渡せた。

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頂上は40分程で到着し、記念写真を撮ってすぐさま下山する。荷物の置いてある小屋まで20分の降りである。小屋に到着すると雨も止み合羽を取って、いよいよ黒部五郎に向けて7時に出発。太郎平までは昨日来た道を一時間で戻り、太郎平で小休止とする。ここを8時に出発し、北の俣岳への緩やかな雨で削られた二重稜線の登りとなる。我々が、太郎平より黒部五郎へ向かう最終のパーティーであろう。途中2576mのポイントを通過し鞍部となった所で小休止する。途中で家族連れの一パーティーと単独の者を抜く。家族連れらしきパティーは、どうも中学生らしい女の子がヘバリぎみで途中より姿も見えなくなり、太郎平方面へ戻ったようである。もう一人の者はザックも背負ってなく、カメラバッグを肩にかついで登っている。何処までこんな格好で行くのか判らないが大丈夫であろうか。後で分かったが、同人なんと黒部五郎岳山頂まで来ているではないか。

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我々は北の俣岳頂上で記念写真を撮り、小休止の後出発。途中赤木岳の頂上直下の大きな石がゴロゴロした所をトラバースしていると、昨日折立より太郎平への登りで母親より先行している小学6年生への伝言を頼まれた家族と遭遇し、追い抜く。恐らくこの家族は本日我々と同じ黒部五郎小屋へ泊るのであろうが、太郎平より2時間程の工程をどうも倍の4時間を費やしているようである。他人事であるが、このままでは黒部五郎の小屋へ着くのは日没近くになってしまう事になる。その後、我々は中俣乗越を越え2578mのピークを越えた鞍部にて小休止をとる。ここまでずっとガスの中かで視界が利かず、ただただ黙々と歩き続ける。黒部五郎岳頂上へ向かう路とカール底への路の分岐への最後の登りは、なかなかきつい登りであり個一時間程かかったが、天候も回復しはじめ展望も利くようになる。分岐にて太郎平より先行していた幾つかのパーティーに追いつく。分岐に荷物をデポして10分程の登りで、頂上に達する。

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山頂で記念撮影を行う。時折山頂よりカール底が望められ雷岩が覗ける。5分程で山頂より下山を開始し、分岐にて小休止する。13時30分頃黒部五郎小屋へ向けて下山を開始する。暫くはカールの峰に沿って5分程降り、そこよりカール底へ一気に降り、草付きの泥路をカール底に近づくと大きなモレーンがあちこちに点在し、幾つかの沢を渡る。カールの出口付近に二階立ての家程もある二つに割れた雷岩がある。更に歩を進めると黒部五郎の東にある2518mのピークより北に伸びる尾根を回り込む。このあたりからは草付きと樹林帯の泥と小岩の路となり、小屋が見えるあたりで分かり難い分帰路がある。一件路なりに降りそうになるが、本来のルートは数メートルの坂を登り少し降ると目指す小屋は直ぐそこである。

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近年増築された小屋への到着は15時15分。チェックインを済ませ夕食まで屋外でビールを飲む。夕食は二回目の17時30分よりで、夕食後暫く談話室で他の登山客と雑談し、19時前に二階の割り当てられた寝床に入る。本日も一人一枚の布団を割り当てられ快適である。20時頃赤木岳付近で追い越した小学生を含む家族が19時過ぎに小屋へ到着したとの情報を得た。心配だったので、到着時に小屋の方へその情報を伝えておいたせいか、小屋の方が日没近くに迎えに出て連れてきたらしい。一件落着でゆっくり眠れる。 


8/6

4時30分頃起床し荷を纏め談話室へ運ぶ、朝食は5時から摂る。5時30分に小屋を出発する。小屋の裏手より樹林帯の岩と泥の急登が始まり、40分程で展望のよい緩斜面へ出、黒部五郎や雲ノ平方面の眺めの良い2661m地点で小休止する。ここからは緩斜面を少し登り三俣小屋への分岐を通過し、急登を30分程登ると三俣蓮華岳山頂に出る。

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山頂は、あいにく展望は利かず風が強い為、写真を撮って早々に双六方面へ向かう。途中2854mのピークを越え草付きの幅広く展望の利くお花畑で小休止。ガスが一瞬晴れ三俣蓮華岳山頂が間近に見え、槍の穂先が雲海より頭を出していた。双六小屋への路は時間の関係で双六岳頂上を通過せず、緩やかな中道を利用し双六岳頂上より降りる路を合わせた急な坂を降り直接双六小屋へ向かう。双六小屋には9時前に到着した。双六小屋は相変わらず水か豊富で出しっぱなしの水道詮より水がふんだんに出ていて、ここで小休止を兼ねて水筒に給水する。ここからはキャンプサイトの脇を多少降り、樹林帯に入る。ガスが切れてきたせいか、やたらと暑い。30分程歩くと穂高側が切れ落ちた稜線上となり、暫く行くと鏡平への分岐点に達する。

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ここより10分程で弓折岳頂上に着き小休止。ここで数パーティーの笠ヶ岳より双六方面へ向かう縦走者と出合う。弓折岳からは大マノ乗越までは一気に標高差200m程の足場の悪い急坂を降り、今度は逆に標高差250mを一気に稼ぎ、秩父平を見下ろす最高点で小休止する。ここからは秩父平のカールや秩父岩が一望できる。秩父平の最底部からカールを一気に登り秩父岩の頭への急なルートがよく見え、うんざりする。気を取り戻して、一気に秩父平へ降りカールを登り切った所で小休止。更にこの上部の登りを見ると疲れが出てくる。ここからは今までの幅広い稜線と違い、稜線の両側が切り立っている。稜線を穂高側、飛騨側へと交互に幾度と無く越える。この頃より飛騨側よりの風が強くなりガスが濃くなり始める。どうやら前線が急速に接近して来ているように思われる。かれこれ一時間程で痩せた尾根上の笠新道の分岐に達し、小休止する。小休止していると急な笠新道を登ってくるパーティーが眼下に見える。明日はここを降る事になるのだが、崩れやすそうな急坂を見て、せめて雨にならなければと祈る。笠新道を登ってくるパーティーに追いつかれないよう早々に出発する。30分程標高差10m程のアップダウンを繰り返していると、眼前に銅色の岩で出来ている門状の抜戸岩の間を通過する。ガイドブックにもあるが、ここまで来れば笠ヶ岳山荘は直前。更に20分ほどでキャンプサイトに到着し、ここより大きな石の重なり合った所を石の上をピョコピョコ渡りながら10分程登ると山荘に到着した。笠ヶ岳山荘は、今年建て直されたらしくとてもきれいで、天水利用とガイドブックにあったが、ポンプを使って沢より汲み上げていた。

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早速チェックインを済ませ笠ヶ岳へカメラのみを持って登る。登り始めて10分ほどすると雨が降り出したが、そのまま更に進み5分で山頂へ到着する。山頂は10m程離れて二つ有り、どちらも大きなケルンがつんである。取り敢えず笠ヶ岳の標識の有る方で記念写真をとり小屋へ戻る。15時30分に小屋へ付いたが、雨は本降りとなり合羽を付けていなかった為、3名ともビショ濡れ。小屋の夕食は第二段の17時30分よりで、それまでビールを飲みながら濡れたものを着たまま乾かす事とした。丁度、長老の知り合いの近ツリのパーティーが笠新道より入山して来ており、そのガイドと情報交換を兼ねて話し込む。夕食頃には濡れた物は大半乾き、豪勢な夕食を腹一杯食べる。その後、食堂と続きのストーブのある談話室にて笠ヶ岳のPRビデオと天気予報を見る。天気予報図ではやはり梅雨前線と低気圧が南下し、丁度笠ヶ岳が低気圧にかかっている。明日の午前中の天気は、最悪になりそうである。笠新道の稜線直下の急坂が気にかかる。19時30分頃、二階の蚕だな状の狭い寝床に入り就寝する。 


8/7

夜半より外は雷も発生し、どしゃ降りの状態になっている。本日は下山のみの為ゆっくり起きて、最終番の朝食をとる予定であったが、やはり何日も山に入っていた習性が出て5時前には起床。5時からの一番飯を食べる。相変わらず外は雷が鳴り続け、嵐の状態となっている。朝食後ザックを談話室に運び荷物の点検をするが、外の状況があまりに悪く下山を躊躇う。そうこうする内に、昨日山頂へ登頂出来なかった登山客が出入り口付近に一杯となり、皆外へ出るのを躊躇っている。6時15分頃に雷は止み、三々五々待ちかねた登山客が出て行く。雨が小止みになった6時30分、昨日登頂できなかった近ツリのパーティーが登頂の為小屋を出て行く。我々も意を決して6時45分に完全装備で下山を開始する。小屋を出て直ぐに雨がまた激しく降り出すが、低気圧が多少遠ざかったのか飛騨側から吹く風はそれほどでもない。昨日来た稜線伝いの路を笠新道の分岐へ向けて快調に足を進め、50分で分岐に到着した。稜線の左右が切れた分岐で小休止をすることなく、一気に杓子平に続く崩れやすい岩陵帯を200m程降りる。降り始めて直ぐに先行する2名パーティーに追いつく。その直後そのパーティーのどちらかが大人の頭ほど有る落石を発生させるが、落石の警告を発しない。思わずこちらで警告を大声で発する。直ぐに先行するパーティーがこちらに路を譲ってくれたが、また落石を発生されたのではかなわない。出来るだけ彼らの直下の下山を避け、更に先行するパーティーを追い越して一気に杓子平まで降る。雨も小康状態となり比較的平坦な所で小休止し、水だけ飲む。杓子平より抜戸岳から南に伸びる尾根の2472mピークを回り込むまでは平坦な道が続く。尾根を回り込んでからは、大きな石が重なり合ったスタンスが比較的大きい笹原の急斜面を標高差450m程降り、更に樹林帯に入り300m降る。ここから暫く傾斜が緩くなる所が500m程続く所が有り、ここでも水だけの小休止を取る。ここからは更に蒲田川左俣に沿う左俣林道へ、更に400m降下する。ここは最近付け代えられた登山道で泥田の急斜面である。11時丁度に、ついに林道に躍り出る。その頃には天気も回復し晴れた空が覗かれた。笠新道は急傾斜であるが、高度を一気に稼げ比較的登りやすいと感じた。

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林道に出た所にドラム缶を切った水場が有り、泥だらけの靴を洗い合羽を脱ぐ。スエットスーツの様な合羽の下は、既に汗でビショビショ。ここでまた写真を撮って新穂高温泉まで45分の行程をのんびり林道を降る。12時05分に、最後の宿である村営の笠山荘に到着する。早速チェックインし風呂に入る。さっぱりする。浴衣に着替えてバスターミナルへ行き、翌日の松本行きアルピコ観光直通特急バスの乗車予約をして、二階の食堂でビールを飲み昼食を取る。その後、お土産を物色する。今日の午後は行動無しで、夕食までは時間がふんだんにある。早速道端にある足だけ漬ける無料の温泉の所に行き、近ツリのパーティーが下山してくるのを待つ。予想した通り14時15分に彼らが到着し、別れの挨拶を交わし、宿へ戻る。ロビーでのんびりしていると何と地震である。横揺れも無く突然突き上げるような地震であり、直下型地震の典型を経験した。部屋へ戻りのんびりしていると、また地震である。どうも直下型の群発地震のようである。18時に豪勢な夕食を食べる。山行中の延長で20時頃就寝するが、夜中地震が頻繁に発生する。  


8/8

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7時前に起床し7時に朝食を食べ、8時にバス停へ向かう。バスは9時発で、平湯温泉経由で松本へ向かう。満席になると運転手が言っていたが、ガラガラである。しかし、反対車線はこれから観光地へ向かう車で大渋滞。バスは渋滞に巻き込まれることなく所定の2時間丁度で松本バスターミナルへ到着する。早速、列車の指定券手配を行うが、予定の列車の指定が取れず一本前の12時54分発の特急を予約する。その後、昨年も寄った駅近くのとんかつ屋「華蓮」へ入る。開店時間前であったが女将が快く迎え入れてくれた。ここの親父と女将は我々と同様、山好きで8月下旬に笠ヶ岳へ行くとの事であり情報交換を行いつつ食事を摂った。意気統合しデザートのサービスまでしてくれた。帰りは八王子経由で町田に戻り、15時30分頃に解散した。 


費用:
航空券(羽田→富山)@¥11、750
宅急便¥850
タクシー(含む有料道)(富山→折立)¥18、700
薬師山荘(弁当込)@¥9、200
黒部五郎小屋@¥9、300
笠ヶ岳山荘(弁当込)@¥8、500
笠山荘@¥13、520
バス(新穂高→松本)@¥2、800
電車(松本→町田)@¥6、380  

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