ハルビン氷祭りツアー(731部隊編)

大連の友人がハルビン氷祭りツアーに行って、その報告を送ってくれました。 今回はその最後の報告で、旧日本軍の731部隊の報告です。 内容の取り方は色々ありますが、やはり戦争は人々を不幸にしますね。 (写真をクリックすると拡大します)
ハルビンへは氷祭りの見学でやってきましたが、実は私と家内には、こちらの方がメインディッシュでもありました。そう、731部隊跡の見学です。中国に住む日本人としては、南京もそうですが、この残酷極まりない行為を認識しておく必要があると考えたわけです。以下、Wikipediaより『731部隊は第二次世界大戦期の大日本帝国陸軍に存在した研究機関のひとつ。正式名称は関東軍防疫給水部本部、731部隊とはその秘匿名称である満州第七三一部隊の略。満州に拠点をおき、兵士の感染症予防や衛生的な給水体制の研究を主任務とすると同時に細菌戦に使用する生物兵器の研究・開発機関でもあった。そのために人体実験や実戦テストまで行っていたとする説もある』また、細菌兵器研究の有無は別にして、2002年に731部隊の存在自体を政府は認めています。いづれにしろ、731部隊→化学細菌兵器研究実験機関→中国人ほか3000人余の人体実験、という認識が通例かと。尚、731部隊跡はハルビン市南西郊外の平房区にあります(実は、私の大連での秘書の実家がこの平房区にあるので、もっと勉強しておかねばとも思った次第です)。

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731部隊跡地に到着しました。元々はこの跡地から遠くないところの「731部隊展示館」で展示されていましたが、建物が手狭になったことから、本当の跡地に爆破して跡形もなくなった建物を当時のままに復元したそうです。重々しい感じのする建物です。ちなみに元々の展示館は731部隊の歴史研究所となっているそうです。

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本館玄関脇にある中国保護文化財指定の看板です。

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玄関を入って、展示案内ラジオ(日本語)を借りてから、2Fに上がります。薄暗い通路の両側が展示室になっています。

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最初の展示室に入ります。この展示館の目的前言がありました。「日本は大それた侵略野望を達成するために、秘密裏に化学兵器開発と量産を行った。ジュネーブ条約を無視し恒常的に兵器を使用、甚だ残忍非道にも中国人、戦争捕虜を生体実験台に化学兵器効力実験を続けてきた。中国での化学兵器使用は2000回、19省に及び、直接被害の中国人は20万人を超える。また日本敗戦時に各地でこれら化学兵器が遺棄されたまま、未だに中国人生活を脅かしている」

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旧日本軍が開発した化学兵器の種類や効力の一覧表です。

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展示室はこんな感じ。意外とモダンな作りをしています。アレ?

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旧日本軍が中国のどこで化学兵器を使用したかの分布地図です。かなり広範囲で使用していたようです。

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2F通路の端です。色々な人からの証言に基づき、本館はかなり正確に再現したそうです。

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化学兵器使用時の軍服です。防毒マスクで完全防備しています。

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通路に張り出された、中国での化学兵器使用履歴です。小さなプレート一つ一つに時期・場所・使用兵器などが書かれており、実に2000近いプレートが張り出されています。

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未だ遺棄されたままの化学兵器を現在に接触してしまい、被害に遭ってしまった中国人の展示です。

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戦後の旧日本軍化学兵器遺留問題(現在も多数が撤去されていない)として、ひとつの展示室が確保されています。

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当時の人体実験の様子を示す模型、これは注射実験のようです。

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終戦直前に731部隊施設の大半を爆破し証拠隠滅したとのことですが、こういったマスクや実験器具などは残りました。

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ガス室生体実験の模型です。

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731部隊長・陸軍軍医中将・石井四郎の執務室の再現です。色々なサイトで確認するとこの石井四郎、変な人間に映ります。

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細菌爆弾の野外実験場の模型です。

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野外実験場となった場所の写真展示です。

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細菌爆弾とは細菌を詰めた陶器の弾を落下させ、割れた欠片で傷を付け細菌侵入を容易にするという卑劣なもののようです。

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細菌兵器試験のための工具類です。

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731部隊関係者による証言と懺悔の展示です。

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この展示室は出来て未だ間もない暫定的に作ったもののようです。731部隊の歴史が全て日本語で克明に書かれています。この日本語展示室はなんと8つもありました。

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本館展示を見終わり出口に向かう途中、こんな通路がありました。両側に約2000名近い名前が刻まれています。人体実験で犠牲となった方々の名前だそうです。出口ホールで係の女性に某かを払うと造花ですが一本くれます。これをこの名前の下に献花し供養します。

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出口のホールには、731部隊当時のジオラマがありました。これが兵器実験や生産の主たる敷地です。左の方には宿舎がありました。エの字形の本館が復元され、本館後方の実験棟は跡地だけです。

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外に立つ731部隊跡地記念石碑です。

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ボイラー棟が終戦直前に爆破したままの状態で残されています。

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本館を後方から眺めたものです。

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本館後ろにあった、監獄・実験棟の跡地です。

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裏の出口から本館横を回り込んで正面玄関に戻ってきました。


見終わっての感想は一言もありません。ですが、ちょっと肩すかしだったとも? 当時の凄惨な写真などがグロテスクに展示されているかと思いましたが、視覚的には比較的ソフトだったような。せいぜい人体実験の模型くらいです。でも、チチハル毒ガス事件被害者の後遺症写真は酷いもので本当にお気の毒です。日本語案内のラジオでは、言葉での日本の責め言葉が多数聞かれました(このラジオは展示室を変わるごとに説明も変わる操作の要らない優れものでした)。あとで別の人に聞きましたが、元々の展示館では非人道的な目を覆いたくなる写真が多数展示されていたそうです。でもここは違いました。さて、Webで731部隊を改めて調べてみましたが、諸説あり興味深いものです。終戦直前に施設を破壊、重要文献はアメリカに手渡った為、事実として証明する文献がない(ので731の行為は事実断定できない)とか、人体実験者は3000人ではなく数十人だとか、研究ではなく人体実験場だけの機能だった、等々。いづれにしろ非人道的な人体実験をやったことは事実だと思います。そして、731部隊長だった石井四郎はオカシイ。京大医学部から軍医に、ジュネーブ会議での細菌兵器不使用をヒントに(不使用だけで、開発、生産は条項外だったため)細菌化学兵器が日本の鍵だと悟る先見性と残忍さ、軍に働きかけ細菌兵器の研究実験組織を作ってしまう政治力、実際にハルビンで人体実験を容認する冷徹さ、終戦後には保身のために隠し持っていた資料をアメリカに渡し戦犯から逃れる狡猾さ。通常の精神の持ち主では無かったようです。天才?いや一線超えた狂気だったのでしょうか?人を批判しても仕方ありませんが。とにかく人体実験で犠牲になった方には本当にご冥福をお祈りします。と同時に、まだ中国で多数遺棄されたままであろう化学兵器(毒ガスが多いらしい)で中国人が被害に遭われないよう祈りたいと思います。全く違う余談ですが、中国での抗日博物館は、ODAなど日本の資金で作られています。恐らく名目は異なれど戦後補償なのだと思います(瀋陽の張学良博物館、南京抗日博物館、北京抗日博物館など)。しかも設計・施工も日本。どこの抗日博物館も展示方法は整然としていて、中国人センスでは真似できないデザイン性の展示方法や充実した設備です。この731部隊跡地については日本関与の有無を未だ知りませんが、恐らく以前の展示館(中国設計)からここへ本館を復元・移設した際に日本が関与し展示設計を手掛けたと推測します。その際に展示内容の編集に関わったのではないかと。これが上述した様に、見終わってからの印象になります。氷祭りだけでなく、ハルビンに来たら、必ず時間を取って、ここ731部隊跡に来られることをお勧めします。内容はどうであれ、日本人として、ここにやってくることが意義になります。

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この記事へのコメント

Nao
2011年03月26日 22:39
貴重な情報有難うございます。日本人としては、見過ごす事のできない事ですよね。

>本当の跡地に爆破して跡形もなくなった建物を当時のままに復元
って、そんなに爆破して、中国大陸って、細菌も、爆弾の熱にも負けず、丈夫なんですね…。と、思ってしまうのは、私だけでしょうか?ちなみに、皆が悩まされた、南京虫も、かなり丈夫なようです。

私がこれまで調べたり聞いたりした事を、よろしければ、読んでみて下さい。信じられるかどうかは判りませんが、聞いた事の内容そのままです。2010年の「尖閣諸島沖事件ビデオ隠匿活動」を見て、更に確信が強まりました。私は、私に話して下さった方達は嘘を言っていないだろうと思えます。

さて、ツボの話は噂通りでした!
『中国特製、釉薬までかけてあって光り輝く上質のツボ製の、細菌爆弾』が、展示してありますね!
大日本帝国軍は、満州辺りで細菌がばら撒かれたらしい事態が起きて、素焼きのドイツ製濾過器を改良して作った細菌をも濾過できる『石井式濾過機』を持って飛んで行って、事態を収拾させています。石井中将は、「これからの戦争は、細菌戦にも対応しないといけない」と、
中国側の主張では、その素焼きのツボを爆弾として使っていたとか。
なんでも、「ペスト菌に感染させた蚤をいっぱい浴槽で育てて、爆弾に入れて投下した」、とかの情報まで在ります。。。日本人が?
水が滲み出る素焼きだと、あまりにもみすぼらしいので、立派な中国製の、大人物な細菌爆弾に、展示物を替えて下さったのでしょう。
旅行で行かれた方の情報では、展示場の近所で待ち構えていた中国人達が、「真空状態にした中でどうなるか実験していた」と、まるで宇宙にでも旅立てそうな秘密情報を話してくれたとか。戦後、1961年、ソ連は宇宙飛行士を大気圏外に送っています。
Nao
2011年03月26日 22:40
戦後の、GHQの報道規制の書類には、報道規制項目として、
「『満州における日本人取り扱いに対する批判』
満州における日本人取り扱いについて特に言及したものが是に相当する。これらは、ソ連および中国に対する批判の項には含めない」
と在ります。中国とソ連を省いているのは、別の項目として、中国編、ソ連編があるからです。
つまり、この文章からすると、
「中国とソ連は、満州で、日本人に対する、何らかの取り扱いをしていた」
という事になります。

そして、日本の自衛隊に日本人の税金から支払わせて、その後の中国内の戦争で使った化学爆弾の処理をさせているとか。大日本帝国軍は、「二宮金次郎、寺の鐘、鍋、鍬、食器」も出動して、それでも物資が底を尽きて、苦肉の策で人間を爆弾代わりに突撃させた、それが「特攻隊」です。

2007年、中国は、「中国人が犯罪者と認定した人を虐殺処刑した実映像を盛り込んで731部隊の映画」作ってアメリカ等で上映。
日本が抗議しても、そうだとは認めたものの、訂正せずに、そのまま上映しています。あれ見た人達は、大日本帝国軍はそのようだったと、映画のようなイメージを持つ可能性もあるわけです。
私は、731部隊の事かどうか判りませんが、「実験していないのに、していると思われて、書類出せと言われたけれど無いけれど、仕方ないので、延命作業の為に、在ると思い込ませて書類を作成している」との話を、戦後の事として聞いた事があります。更に、大日本帝国軍は、補助部隊(物運び・土木係・医療チームなど)は、殆ど「丸腰部隊」でした。犠牲者の方達を「マルタ」と呼んでいたとの事ですが、「蒋介石が、台湾人を虐殺した時、後ろ手に針金で手を縛って、『チマキ』と呼んで狂喜して殺害していた」、という情報と似通っています。
Nao
2011年03月26日 22:41
実験の記録とされている資料には、馬には在るが人間にはない筋肉についての研究記述があります。また、日本人名が何人分も記述されている犠牲者名簿も在るようです。漢字なので中国人だと思ったとか。伝染病感染患者さんの隔離治療とか、病状経過カルテ、治療過程、新薬投入、検死、等の記録だったりして…。
謎なのが、細菌感染等の予防の為に行ったはずが、病院・入院・隔離施設とかは無いのでしょうか?伝染病で隔離されていた方とかは?言葉が通じなかったり、西洋医療を知らなかったら、伝染病患者にとっては、(伝染予防の為に)拘束されて監禁されて、(治療の為に)薬盛られて注射されて、揚句に、治癒しなかったら亡くなったりして火葬されて…、と恐ろしい大変な事態です。
731部隊に予防注射をして貰い、細菌感染が流行った時に、その方だけ平気だったとの証言もあります。予防注射の為のワクチン開発は、そこらの鼠とか(あとウサギだったかな?)を集めてやっていたようです。で、ソ連が、不可侵条約を破って侵攻して来たので、武器を殆ど持たない「丸腰部隊」だった彼等は、急いで残留した細菌が飛散しないよう処分して、取るものも取りあえず逃げたそうです。
ちなみに、大日本帝国軍人は、馬も友達の様に大事にしていたので、靖国神社の隅に祀ってあります。また、リーダー格は(全員がそうだったかどうだかは判りませんが)、中国の遺跡等を損傷する事がないよう、民間人や女性子供を狙う事がないよう、細心の注意を払っていたようです。
Nao
2011年03月26日 22:42
中国国内では、火葬の習慣が最近まで無かったそうです。遺体は生きている人達と同様に大事に扱う習慣があるかもしれません。
戦時中、中国に行ってらした方が、「火葬をしていたら、中国人が驚いて、大騒ぎをしていた」と言っていました。わらわらと群がって来て、かなり騒がれたようです。
また、別の方からは、「医薬品が足りなくて、薬が無いままとか、薄めて全然聞かない痛み止め薬を使って、効かない状態で手術をしたりしていた」「忍耐強い人間もいて、中には、歯を食いしばって、忍耐し続けていた人も居た」「麻酔薬がないので、殴って気絶させて、手術をしていた」「麻酔薬が無くて、どうしても痛くて動いてしまうので、ベッドに縛って動かないように固定して手術をしていた」と言っていました。
まだまだ在りますが、そういった事から見ても、中国側の、731部隊についての情報は、信じ切れないものがあります。
どうしてもお伝えしたく、長文、失礼しました。
情報を下さった御友達にも、御礼、お伝え下さいませ<(_ _)>。
はげまん
2012年05月20日 15:01
中国、ややこしいです。731も南京にしても、事実が捏造かのいずれであっても自分として日本全体で主張できるのは僅か。対して中国は13億全員が金太郎飴的に主張できる。13億vs僅か。勝ち目はありません。日頃付き合っている同僚や友人に対し、こちらがウソとか捏造とか言えば、怒り何百倍にも返ってきますが、容認するとそれで終わり。保障うんぬんも言いません。今の時代は、日本人が認めていればOKなのであって、だからどうしろこうしろ責任うんぬんは言いません。そんな実態であることをご紹介しておきます。
名無しさん
2014年09月08日 15:30
しかし小説が元ネタの731部隊でよくもまぁこんなに盛り上がれるもんだ